7月の最終日曜日は集落の奉仕作業があります。
朝6時に集合、点呼をとってから、作業に取りかかります。
ぼくは刈り払い機で道わきの草刈です。

刈払い機

刈払い機

この夏は灰がひどいため、マスクをして作業する人が多いです。
いつもは考えられないことです。
休憩時、桜島の灰が話題に上ります。

「冬、灰が降るのは我慢するけど、夏まで降るとはねぇ!」

ここは桜島降灰激災地に指定されている土地です。
皆さん、降灰とそれなりにつきあって生活しています。
冬はしかたない、受け入れます。でも夏までは勘弁してください。っていうのが人々の思いなんです。

追い打ちをかけるように、
作業終了間際、空がどんより曇り、「ざぁ~」っと「どかばい」です。
「どかばい」、ぼくが小さいころは使われてなかった言葉ですが、最近はどか食いとか”どか”をつけて表現するんですね。

今回の”どかばい”はこの夏の最大級でした。
もう言葉は出てきません。

わかっています。
自然災害はあきらめるしかありません。
日本の他の地域ではもっとたいへんな所がたくさんあります。
頭では理解しています。

農作業で何か失敗とか、機械が壊れたとか、そんな時ぼくは、
”なに、怪我をしなかったと思えば、こんなの大したことじゃない”
と気持ちの整理をします。

でも、今ここで生活している我々には、自然との約束事があって、春になると桜が咲くように、冬は北西の風(灰は大隅半島へ)、夏は東よりの風(灰は薩摩半島へ)が吹くことは、何年も続いている約束なのです。その自然の約束事(ルール)は変わってほしくないのです。

気象がおかしくなっていると科学者は言うかもしれませんが、この土地で自然を相手に農業しているぼくには、目の前の災害を地球レベルで言われても、「はい、そうですね」って簡単には受け入れられそうにありません。

で、思わず叫んでしまいます。

夏は鹿児島市内へ飛んでゆけ!

桜島の降灰でこんなになります。

桜島の降灰でこんなになります。