コロナ禍での病院は面会もままならない、
いや、面会は出来ない!
見舞客が入院患者の部屋まで来ることは絶対なく、
基本的に見舞客と会って話すことは禁止されていた。
ただ、今後の治療のこととか、栄養指導などについては、
家族もいっしょに、病棟の一室で話すことはあった。

入院初日、病室に案内されたのが、四人部屋だった。
人生初めての入院ではないぼくは、10年ほど前に入院した時とは、違うな〜って思った。
昼間なのに皆がカーテンを閉め切って、静かだった。
これは、コロナ禍だからか!
ソーシャルディスタンス、廊下に出る時にはマスク着用、
そこには暗黙の了解があり、コロナ対応がある気がした。

小さな声で挨拶したけど、これじゃ、会話もできないな!静かに過ごす!しかないな!
ただ、部屋の入り口の壁に4人の名前が書いてあり、誰が入院しているかはわかった。

挨拶ぐらいはするだろうけど、時間潰しに患者同士が話すことはないなぁ〜って思っていたら、
その空気をやぶる人が、壁際の人が退院した後にやってきた。

その人は、初めての入院ではなく、看護師の何人かとは面識があり、話し方が明るく好感がもてる声をしていた。
誰もが、部屋に入るとまっすぐベットに向かいカーテンを閉める、それがルールなんだと思っていたら、
その人は、自分のとこのカーテンは最低限閉めるだけで、窓際まで行き、
こんにちは川西です、ってしっかり聞き取れる声で挨拶した。
ぼくは嬉しくなり、思いっきりカーテンを空け、こんにちは!と挨拶した。