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Category: 病院 (page 2 of 2)

悲しくも愛おしい患者達 看護師編

晴れ

暑い日が続いています。


もしあなたが、ひとの優しさに触れたいと思ったなら入院しなさい!

ドクターは普通で、もしくは事務的かもしれないが、
でもそれは役割、ドクターが傷を繕い、あなたの治癒力を引き出してくれるのが看護師、
看護師の武器は優しさだ。

あなたが寝ているベットに一日最低三回はきて、あなたに優しく声をかけてくれるひとがいる。
それが看護師だ!

ぼくが男だからかもしれないが、どちらかというと女性の看護師が良い。

ぼくはできるだけ、客観的に人をみるように心がけている。
それが時には、斜め45度からって表現で文字にすることがある。
まっ、ひねくれた人間なのだ。

そんなぼくにも、ほんとにやさしく接してくれる。
言葉遣いからしてやさしい。
今はコロナ禍だからマスクで目しか見えないが、
その目が優しい、
入院患者には、あまり褒められたもんじゃない患者もいる。
まったくもぉ〜、って思ってしまうが、
そんな患者にも、優しく接してくれる。

仕事だからで片付けられないものがある気がする。

病院で入院生活を送ると、表現は間違っていると言われるだろうが、
とても居心地がいいのである。

忙しく仕事に追われることはない。
そして、毎食、ご飯が出る、そりぁ〜、もっと塩っけが欲しいとか、
たまにはラーメンが食べたいとかあるだろうが、
そんなの、小さいこと、
ごはんが食べられるだけで、ありがたいと感謝しなければならない。

そして、繰り返すが、看護師が優しく接してくれる。
ひとが自分に優しく接してくれるなんて、
なんてすばらしいことなんだ。

短い間かもしれないが、ひとの優しさに甘えるがいい!
そして、退院したら今度はあなたがひとに優しく接すればいい!

悲しくも愛おしい入院患者達

晴れ

夏空です。


平瀬さんは小さいおじいちゃんって感じのひとだった。
杖をついて歩き、少し耳が遠かった。

川西さん、山本さん、ぼく、そして平瀬さんが四人部屋のメンバー。

山本さんはいろんなことやってきたけど、今は職がない人、
川西さんは悠々自適の年金生活者、
ぼくはと言うと、今年は農閑期だからと言っている農家、

山本さんのこれからを、川西さんとぼくが、あ〜でもない、こ〜でもない、
カフェを始めたらどうか、コロナ禍の中なんだから看護師をもう一度やったらどうかなど、
妄想を広げながら楽しく会話した。
そこへ、平瀬さんが時々入ってくる。

耳が遠い平瀬さんは、僕たちの会話を聞いていたわけではなく、
突然、突拍子もないことを言い出した。
自分が住んでいるとこは、士族が居ていぱっていたとか、
お茶の栽培でたくさんの農薬が使われたとか、
こちらの話が突然、切られるシーンが何度かあった。

でも、大丈夫!、
ぼくらはたくさんの暇な時間をもっていた。
平瀬さんが突然言い出した話を、掘り下げながら、
そこで、平瀬さんどうしたの?って、
平瀬さんの若い頃の話しを聞いた。

平瀬さんは、中学を出てから東京で働き、18歳の時、
右腕を怪我し、その後は鹿児島に帰ってきて、生まれ育ったとこで、
働いたって言っていた。

嫌な思いもしたそうで、
おまえは、リチャード・キンブルだと言われたと突然話し出した時は、
一瞬なんのことかわからなかったが、
ぼくの古い記憶が、逃亡者だと言い、
川西さんに、昔の海外ドラマ、逃亡者って言ったら、
川西さん、ぼくの顔をみて、苦しそうな顔をした。
リチャード・キンブルから連想するのは片腕の男、

東京で怪我をしたという平瀬さんの右腕は肘から先がなかった。

世の中には、心ない人がいる!

平瀬さんは、ベットから起き上がる時はいつも、
「よっこらしょ、よっこらしょ!」って言いながら左手を使いながら起きていた。

悲しくも愛おしい入院患者達

晴れ

晴れそうな天気予報です。


川西さんは残念そうに語った。

ぼくは進学校を出たのに、大学にいけなかったんだ。
友達はみんな大学に行ったのにじぶんは行けなかったんだ。
ほんと、行きたかったなぁー
友達と一緒に勉強したかったなぁー。

もし、大学行っていたなら、違う人生がそこにあった。
違うじぶんを思い出すように川西さんは語った。

父親におまえはいずれ店を継ぐことになるから大学はいかなくてもいいんだと言われ、従うしかなかったらしい。

その父親には苦労させられたとも言っていた。
父親は、連帯保証人になっていて、父親の死後、その支払いをじぶんがしなければならなくなり、支払いはなんとか済ませたけど、苦労したって、でもじぶんが返した、頑張って返したって。

川西さんは踏ん張ったじぶんを褒める様に話してくれた。

ひとはどんな人生を歩んだきたら、品位を身につけられるのでしょう?!
優しさの含まれた言葉はどうしたら発せられるのでしょうか?

冗談も言い、明るく、振る舞う川西さん、
大手会社の社長とも話し、まだ世間をしらない若者とも話せる川西さん、
一瞬で周りを明るくさせるひと、それが川西さんでした。

2年前に病気がわかり、医者から、一日一日を大切に生きてください!って言われた時は落ち込んだって、
ぼそっとぼくだけに聞こえる様に川西さんは話してくれました。

悲しくも愛おしい入院患者達

くもり

毎日、曇り空


山本さんの場合、

最初、山本さんの話を聞いたとき
この人の話はどこまで真実なんだろうって思ってしまった。
元航空自衛隊に所属して、軽飛行機の操縦免許を持っていて、更に看護師の資格もある。
趣味はバイク。
そうだまだあった。彼は万引きGメンのアルバイトもやった経験があり、かなり優秀な成績を収めて、警備会社からあまり捕まえないでくれ、仕事がなくなるって言われたこともあるって言っていた。

以前中東に住んでいたとき、日本からきた出張者に、この人の話はどうもおかしい、それなりの知識はあるけど、妄想のじぶんと現実のじぶんが一緒になったような人がいたが、山本さんの話を聞いたとき、おもわずこの人も同じかと思ってしまった。

ぼくはもちろんパイロットのことも自衛隊も看護師のことも詳しくない、ただ、バイクについては少しわかる。

山本さんのバイクの話にのっかって、ぼくも若い頃バイクに夢中になったこと、うまくないからホンダモーターサイクリストスクールに通ったことやツーリングの話をした。
山本さんも、自分の経験を話して、元レーサーの平選手の話が出たとき、この人本物、本当のこと、自分の経験を話していると思った。

病室には現役の看護師がやってくる、まだ初心者マークを付けている看護師もいる(ほんとに車と同じ小さな初心者マークを付けている)
その看護師より経験豊富な鈴木さんは知識があり、逆に教える側になる場合もあった。

飛行機の免許はアメリカのアリゾナで資格を取ったとのこと。

そんな、山本さん、糖尿があり、あと原因がはっきりしない病魔に犯されていた。
ぼくより先にいた山本さん、救急車で運ばれてきた山本さん、
顔色が悪く、歩くとふらつくので車いす移動を余儀なくされていた。

医者ほどはないにしても、それなりの知識がある山本さん、看護師と薬の効果について話、しばらくして薬が効いてきたのか、歩行も問題なくなり、そして僕たちと会話を楽しんだ。

ただ、山本さん、病気のせいもあり、今、職がない。
山本さんは語った。
「ぼくはいろんな事をやってきたけど結局全部中途半端になってなさけないんです」

世の中には、資格も取れなくてやめてゆくひとがいっぱいいると思うが、
ぼくから見れば「山本さん、りっぱじゃない!」って思えてしまう。

ぼくは山本さんに言った。
「どれも中途半端で終わったものないじゃない、それなりにやってきて一人前になったじゃない!そこまでやれる人めったにいないよ。
そんなに悲観することないよ!」

病室を変わる時ぼくは山本さんに言った。

山本さん、今の試行錯誤の状態から長く続けられる職についたら、家の前に黄色いハンカチを上げて、そしたらぼくは山本さん捜すから、必ず山本さん捜すから、そしてまた話そうって言った。

山本さんの家は道路から少し高いとこにあり、その道路をぼくは時々通る

悲しくも愛おしい入院患者達

くもり

夏だなぁ〜って感じる日がこない

コロナ禍での病院は面会もままならない、
いや、面会は出来ない!
見舞客が入院患者の部屋まで来ることは絶対なく、
基本的に見舞客と会って話すことは禁止されていた。
ただ、今後の治療のこととか、栄養指導などについては、
家族もいっしょに、病棟の一室で話すことはあった。

入院初日、病室に案内されたのが、四人部屋だった。
人生初めての入院ではないぼくは、10年ほど前に入院した時とは、違うな〜って思った。
昼間なのに皆がカーテンを閉め切って、静かだった。
これは、コロナ禍だからか!
ソーシャルディスタンス、廊下に出る時にはマスク着用、
そこには暗黙の了解があり、コロナ対応がある気がした。

小さな声で挨拶したけど、これじゃ、会話もできないな!静かに過ごす!しかないな!
ただ、部屋の入り口の壁に4人の名前が書いてあり、誰が入院しているかはわかった。

挨拶ぐらいはするだろうけど、時間潰しに患者同士が話すことはないなぁ〜って思っていたら、
その空気をやぶる人が、壁際の人が退院した後にやってきた。

その人は、初めての入院ではなく、看護師の何人かとは面識があり、話し方が明るく好感がもてる声をしていた。
誰もが、部屋に入るとまっすぐベットに向かいカーテンを閉める、それがルールなんだと思っていたら、
その人は、自分のとこのカーテンは最低限閉めるだけで、窓際まで行き、
こんにちは川西です、ってしっかり聞き取れる声で挨拶した。
ぼくは嬉しくなり、思いっきりカーテンを空け、こんにちは!と挨拶した。

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