斜め45度から物語を読んではいけません。
素直な純粋なじぶんになって読みましょう。

本屋大賞をとりました。

本屋大賞をとりました。

物語から大国に併合され、辺境に追われた小国の苦しみを感じます。
物語にこんな文章が出てきます。少し長いですが、

防衛の問題、不公平な税、移住民の問題、苦しめている問題は多い、
しかし、それは政治的な駆け引きによって解決すべきことであって、反逆や陰謀によって解決を図るような類のことではない。

大国は、小国という木に堆肥を与え、枝打ちをし、
守り育ててくれている庭師のようなものなのだ。
彼らによって整えられた木は、もう元の姿はしていないし、実った果実も、その多くは、庭師のものになる。それでも彼らは嵐が来れば木を守り、健やかに育つように水を与えてくれているのだ。

併合されて長い年月が経ったいま、
小国は、もはや元の小国とは全く違う姿に変わってしまっているのだ。
防衛も、経済も、なにもかもを大国に負うている。

万が一、大国が小国を見捨てて去るようなことがあれば、小国は、庭師を失い、水源を失い、塀を失って強風に晒された老木のように枯れていくだろう。

「小国には名前がありますが、すべて小国に変えました」

物語には辺境の文字がたくさん出てきます。
辺境から思い出すのが内田樹の著書、日本辺境論です。
辺境の地、日本のことが書かれています。
辺境の地で生きる日本人のことが書かれています。
読んだ時、辺境の地も悪くないなと思いました。

そんなことより鹿の王、
本屋大賞作品、なかなか物語の中に入れなくて、
上の空で読んでいるような感じで読み進みました。
下巻後半になっておもしろくなりました。

ただ集中力不足を否めないので
今回は星マークの評価はなしです。