川西さんは残念そうに語った。

ぼくは進学校を出たのに、大学にいけなかったんだ。
友達はみんな大学に行ったのにじぶんは行けなかったんだ。
ほんと、行きたかったなぁー
友達と一緒に勉強したかったなぁー。

もし、大学行っていたなら、違う人生がそこにあった。
違うじぶんを思い出すように川西さんは語った。

父親におまえはいずれ店を継ぐことになるから大学はいかなくてもいいんだと言われ、従うしかなかったらしい。

その父親には苦労させられたとも言っていた。
父親は、連帯保証人になっていて、父親の死後、その支払いをじぶんがしなければならなくなり、支払いはなんとか済ませたけど、苦労したって、でもじぶんが返した、頑張って返したって。

川西さんは踏ん張ったじぶんを褒める様に話してくれた。

ひとはどんな人生を歩んだきたら、品位を身につけられるのでしょう?!
優しさの含まれた言葉はどうしたら発せられるのでしょうか?

冗談も言い、明るく、振る舞う川西さん、
大手会社の社長とも話し、まだ世間をしらない若者とも話せる川西さん、
一瞬で周りを明るくさせるひと、それが川西さんでした。

2年前に病気がわかり、医者から、一日一日を大切に生きてください!って言われた時は落ち込んだって、
ぼそっとぼくだけに聞こえる様に川西さんは話してくれました。