柴犬タローが死んだことを覚えていてくれた人がいた。
きれいな花束を、タローに!って持ってきてくれた。
ありがとう!覚えていてくれて!
タローと16年いっしょに過ごしたぼくに感謝の気持ちが湧き上がってくる。
もう動かなくなったタローを抱いて、親が死んだ時もこんなに涙したこともないのに、タローの時には泣いた、生きている時は暴れるから重く感じたタローが動かないと軽くて、更に悲しくなった。
タローはぼくと家内以外にはなつかなかった。
タローを抱いてかかえることができたのは、もちろん家内とぼくだけ!
他の人に抱かれることはなかった。
以前何人に噛み付いたか数えたことがある、十三人!
タローに代わって、ごめんなさい!
痛かったでしょう! 手をだして、おいで!って言っているあなたに尻尾をふりながら近づいて来たタローがまさか噛み付くとは思わなかったでしょう。
タローに噛まれた皆さん、ごめんなさい!